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th 発音のコツ:日本人が「ス」「ズ」になる原因と直し方

8分で読めますShadowing チーム
th 発音のコツ:日本人が「ス」「ズ」になる原因と直し方

「thank you」がどうしても「サンキュー」になる。「think」と言ったのに「sink(沈む)」と聞き返された。日本人の英語学習者にとって、th 発音は L と R に並ぶ最大の壁です。日本語には /θ/ も /ð/ もないため、私たちは無意識に一番近い「サ行」「ザ行」に置き換えてしまいます。この記事では、無声の /θ/(think, three, mouth)と有声の /ð/(this, the, mother)の正しい舌の位置、日本人が間違える典型パターン、そして文の中で自然に言えるようになるシャドーイング練習法を順番に解説します。発音全体の基礎を先に確認したい方は、正確な英語発音を身につけるためのガイドもあわせて読んでみてください。

th 発音が大事な理由:1音で意味が変わる

「多少発音が違っても文脈で通じるでしょう」と思いがちですが、th は意味を区別する音です。次のペアを見てください。

「I think so.」が「I sink so.」に聞こえても、相手はたいてい推測してくれます。しかし推測させる回数が増えるほど、聞き手の負担は大きくなり、「この人の英語は聞き取りにくい」という印象につながります。しかも /ð/ は the, this, that, they, there, with といった超頻出語に入っているため、1文の中に何度も出てきます。th を直すことは、英語全体の聞きやすさを底上げすることなのです。

日本人の th 発音によくある間違い3つ

1. /θ/ を「ス」にする(think → sink)

最も多いのがこのパターンです。カタカナで「シンク」「サンキュー」「スリー」と覚えてしまったため、舌先を歯ぐきの裏に付けたまま /s/ を出しています。/s/ は舌と歯ぐきのすき間から鋭い「スー」という音が出ますが、/θ/ は舌と歯のすき間から出る、もっと弱くこすれた「すー」に近い音です。

2. /ð/ を「ズ」「ド」にする(this → zis / dis)

「ディス」「ザ」「マザー」というカタカナ表記がそのまま口癖になっているケースです。this が「ジス」や「ディス」、mother が「マザー(/z/)」になります。/ð/ は /θ/ と同じ舌の位置のまま声を出すだけの音で、/z/ のように舌が歯ぐきに近づくわけでも、/d/ のように舌で息を完全に止めるわけでもありません。

3. 舌を出しすぎて、次の音に間に合わない

学校で「舌を噛んで」と教わった人に多いのが、舌を大きく突き出しすぎるパターンです。単語ひとつなら言えても、「I think that they are there.」のように th が連続すると舌の出し入れが追いつかず、全体がもたついてしまいます。実際のネイティブの舌は、前歯の先に軽く触れる程度。「噛む」ではなく「そっと触れる」が正解です。

カタカナ英語のクセ全体(母音を足す、L/R など)については、カタカナ英語の直し方をまとめた記事で詳しく解説しています。

th 発音の舌の位置:4ステップで作る

  1. 口を少し開け、舌の力を抜く。口角は自然なまま、上下の歯のあいだに指1本弱のすき間を作ります。
  2. 舌先を上の前歯の先(または裏側)に軽く当てる。鏡で見て、舌先が少しだけ見えればOK。歯で舌を挟み込む必要はありません。
  3. 舌と歯のすき間から息を流す。これが無声の /θ/。「すー」と弱い摩擦音が聞こえれば成功です。
  4. 同じ形のまま声を乗せる。これが有声の /ð/。「ずー」に近いけれど、舌先は歯に触れたままです。

のどに手を当てるテストも効果的です。/θ/ のときはのどが振動せず、/ð/ のときはブルブルと震えます。「thin(薄い)」と「this(これ)」を交互に言って、振動の有無を手で確かめてみましょう。より体系的に確認したい方は、IPA レッスンの歯音 /θ/ と /ð/ のユニットで、音声と例語をセットで練習できます。日本人が置き換えてしまう /s/ と /z/ の正しい形は、歯ぐき摩擦音 /s/ /z/ のユニットで比べると違いがはっきりします。

ミニマルペアで耳と口を同時に鍛える

舌の形ができたら、似た音との区別を練習します。1つのペアを「ゆっくり3回 → 普通の速さ3回」のセットで声に出し、録音して聞き比べてください。

ミニマルペアの基本的な使い方や、母音の聞き分けについてはミニマルペアで英語の母音を攻略する記事も参考になります。練習メニューをさらに増やしたい場合は、発音練習エクササイズ集が便利です。

早口言葉で仕上げる

ペアが言えるようになったら、th が密集した早口言葉で「連続しても崩れない舌」を作ります。

最初は半分の速さで、舌先が毎回前歯に触れているかを確認しながら。正確に言えるようになってから、少しずつ速くしていきます。

会話の中の th:弱く、短く、つなげて

単語で完璧に言えても、文の中で崩れるのが th の難しいところです。特に the, this, that, them, there などの機能語は、会話ではとても弱く短く発音されます。the は /ðə/ に縮み、舌先は歯にほんの一瞬触れるだけ。「in the」は「イン・ザ」ではなく、/n/ の舌の位置から滑るように /ð/ へ移る「インナ」に近い音になります。

こうした弱形の仕組みは、英語の弱形とシュワを解説した記事で詳しく紹介しています。単語単体の「強い th」と、会話の中の「弱い th」の両方を練習することが、通じる発音への近道です。

th 発音を定着させるシャドーイング練習法

舌の形を知っていても、話すスピードの中で毎回再現できなければ意味がありません。そこで効果的なのが、短い文を音声と同時にまねするシャドーイングです。th を直すための手順は次の5ステップです。

  1. th が多い短い文を選ぶ。think, thing, the, this, that, mother, father, weather, birthday などが自然に出てくる素材が理想です。
  2. まず聞くだけ。文の中のどこに th があるかを確認し、the が弱く短くなっている箇所に注目します。
  3. 0.75倍速でシャドーイング。舌先が前歯に触れているかを意識しながら、1文ずつ繰り返します。
  4. 録音して比べる。自分の think が sink になっていないか、this が dis になっていないかを耳で確認します。
  5. 通常速度に戻す。正確さを保ったまま、ネイティブと同じリズムで言えるまで繰り返します。

練習素材の例を挙げます。どれも th を含む単語が自然に何度も出てきます。

同じレベルの素材をまとめて探したい場合は、A2レベルのシャドーイング動画一覧から、ゆっくりはっきり話す動画を選ぶのがおすすめです。英語学習向けの解説動画を中心に探すなら、教育カテゴリの動画も使えます。

1週間の th 発音トレーニングプラン

1週間で完璧になる必要はありません。「think と言うときに舌先が前に出る」という感覚が身につけば、それが大きな一歩です。

ShadowingEnglish で th 発音をチェックしよう

自分の th が正しいかどうかを、自分の耳だけで判断するのは難しいものです。ShadowingEnglish では、次の機能を使って th を効率よく練習できます。

th 発音は、正しい舌の位置を知り、文の中で何度も繰り返せば必ず変わります。まずは今日、think と this を含む短い文を1つ選んでシャドーイングし、AI の音素分析で自分の th を確かめてみましょう。ShadowingEnglish なら無料で始められます。

実際に練習しよう

動画を選んで一文ずつシャドーイング。ヒントを本物のスピーキング力に変える一番の近道です。